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電車に乗る時間に何か読もうと思ってキオスクに売っていた「1リットルの涙」の文庫本を買ってみました。
あ、あれです。ドラマで最近やっていたやつ。

いわゆる泣ける本なのかと思うとそうでもないです。
逆に勇気付けられる、といった楽天的な内容でもなく。
何年、という単位で確実に死に向かい、そのくせ意識だけははっきりしたまま、という厳しい現実を十代の筆者がどう受け入れ(いや時に受け入れられず)、自分がなぜ生きているのか、といったシンプルかつ重過ぎるテーマ。
自分の人生とどう向き合っていくのか、というある種のドキュメンタリーかな。 彼女が行っていた病院が名古屋大学の付属病院なのだけれど、そこは僕が名古屋にいた頃住んでいた学区内にある病院で僕は何度か通ったこともあって、先生の回顧録には僕が猫とよく遊んでいた鶴舞公園が出てきたり、そんなところになんだか親近感を覚えたりしました。
後ですね、僕の姉も病名は違えど同じ小脳の病気で亡くなっているんで、彼女のイメージとどこか重なるんです。
僕の姉は僕が小さいころ小学生に上がる前に亡くなってしまったのだけれど、近所で一緒に遊んでいても姉は病気のせいで缶蹴りか何かの遊びがうまくできずにいて、そんなかすかな筈の記憶が妙にくっきり甦ってきたりしました。
姉が病気をもし抱えたまま思春期を迎えていたらまさにこの本の筆者のような現実が待っていたのかも知れない、とも思ったり。

なんだかうまく言えないけれど、先が見えずにどれだけ悩んだとしても自分が動けば何かしら(完璧には程遠くても)は実現できていく、ということの贅沢さを痛感したりするには十分な本です。

進めば進むほど自分が本当に納得できるポイントというのは高くなる、いや違うな、遠く狭まっていく気がして、それこそ学生の文化祭的なノリでは実現できなくなっていく訳ですが、日常生活、例えば食事を無事に済ませることが一大事の筆者の様子を見ていると、色んなことに手を出して本当に大事なものを見失ってしまうことなんかに対する警鐘となってくれる気がします。