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と言っても親に感謝する話題ではないです。残念ながら。
ここのところワイドショーネタとして随分巷を賑わせている、森進一が歌う「おふくろさん」の騒動。
著作権に関するとても分かりやすい例として色々勉強になります。

川内康範氏の作詞した「おふくろさん」という曲に別の人が許可なく導入部に歌詞を付け足し、これをまた森進一が許可なく歌っていることに川内氏が腹を立て、「もう歌わせない」と言っている話ですが、
今のところ、状況は下の様に整理できるかと思います。

1,許可なく歌詞を足したのは本当らしい
2,昨年末の紅白でこの付けたしバージョンの「おふくろさん」を歌っているのを見てくすぶっていた火種が大きくなってしまったようんだ
3,レポーターの突込みに対し森進一が「この曲はもう『森進一のおふくろさん』ですから」と発言したことに川内氏が余計に腹を立てたようだ
4,川内氏はJASRACに森進一がこの曲を歌わないように申請したようだ
5,森進一サイドもコンサートで川内氏の作詞した曲を選曲から全て外したらしい

まあワイドショー的な突っ込みはTVに任せるとして、
個人的によく分かったのは、
・作詞者の許可なく歌詞を改変することは大きな問題になる
・パフォーマー(歌手)よりも作詞、作曲をした人のほうが立場的に強い。逆に言えば作詞・作曲・アレンジをしない歌手や楽器演奏者の立場は相対的にかなり弱い
・JASRACもこういう時(くらい)はクリエーターの権利保護に役立っている
・大御所といわれる歌手やプロデューサーも、こういった権利の問題に関して意識が薄い
ということでしょうか。

因みに一般的にミュージシャン仲間の間で悪の権化のように言われているJASRACですが、
http://www.jasrac.or.jp/release/07/03_2.html
のように本当にこの「おふくろさん」の使用の差し止めをしてしまいました。
※まあ効力がどれだけあるかといわれたらそこまでは調べてませんが・・・。
今回侵害されたのは川内氏の作品に関する「同一性保持権」と言うんですね。なるほど。

なお、この騒動では法曹界の人たちも口を揃えて「悪いのは森進一の方だ」と言っていますね。
だから最初問題を軽視して、「何をあんなに怒っているんでしょうねえ、はは」みたいなノリだった森進一やプロデューサーが「お詫び行脚」などと言われて謝りに行った(門前払いになってましたが)のもあながち大げさな話ではないわけです。

こういったケースは例えば外国の歌の日本語カバーなんかでもあり、
日本語の歌詞を付けて洋楽を歌う場合作詞者(もしくはその権利代行者)に許可を取る必要があります。
これが認められないと友達の前で披露するくらいは問題ないでしょうけど、大きなコンサートやレコーディングでやってしまうと場合によっては今回と同じような問題になってしまいます。
某レコーディングでカバー集を作った関係でこの辺はかなり最近調べましたよ。
※ちなみに替え歌で有名な嘉門達夫は全部オリジナル曲の権利者に許可を取っているそうです。

料金の徴収や分配の方法ではものすごーく批判すべき点も多いJASRACですが、それでもアーティストやクリエーターの権利を守る団体なり組織は必要だなあと痛感させられる話題でしたね。
※川内氏の感情的な怒りについてはもうちょっと冷静な対応を求めたいところもありますけど・・・。