忌野清志郎 完全復活祭

忌野清志郎
喉頭ガンで2年近く治療していた忌野清志郎が武道館で復活記念ライブをやったんで行って来ました。
僕は別に清志郎マニアでも何でもないんだけど、前にフジロックで見たライブが素晴らしかったんで、ネットでこのライブの告知をたまたま見つけて「おっ!」と思ってチケットを買ってたんですな。

とにかくこんなハッピーかつ熱狂的な空気に包まれたライブってなかなかなかったです。うん。
まず会場に入ってからの感じを説明すると

・開演前SE(BGM)はなく、最終サウンドチェックの音が淡々と響いている
・まだ照明が落ちる前から徐々に出てきた「キヨシロー」コールが段々高くなり、まばらだった拍手がどんどん一つの波に。最終的にはアンコール待ちのようなテンションに。
・照明が落ちた瞬間拍手と歓声は最高潮に。
・同時に会場内のスクリーンでビデオが流れ始める
・ビデオの中では清志郎の入院中の写真が流れ始める。
恐らく毎日撮影していたものなのか、坊主頭から段々と髪の毛が見え始め、表情も明るくなっていく。後半では髪に色も混じり、ビールを持った姿も。
・会場に向かう風の清志郎の映像が流れビデオ終了。会場大いに盛り上がる。
・バンマスの三宅さんを(確か)筆頭にメンバー登場。「JUMP」の演奏始まる
・忌野清志郎登場!

こんな感じ。客側のテンションと会場の演出が見事にマッチしてました。
イベントプロデューサーに拍手、という感じです。
御大登場の瞬間は誇張でなく会場全体が感涙に咽んでいましたね。

その後何曲目かでチャボさん登場。これも相当盛り上がりました。
正確には把握してないんだけど、RCサクセション解散後おそらく御大とチャボさんはほとんど一緒に活動していなかったと思うんです。
以前フジロックで清志郎が出た際も、同じ会場で麗蘭が出ていたから「ひょっとしてチャボさんゲストで登場?」と期待していたのに出なかったし。
チャボさんも何曲か歌ったりMCしたりしてましたけどホント楽しそうで。
RC初期の曲もやったりしてました(知らなかったけど)。
ちなみに裏話としては、清志郎が入院する直前某ライブハウスでチャボさんのイベントがあり、シークレットゲストで清志郎が出てたそうです。
その数日後、例の喉頭ガンであることを告白するプレス発表があったわけで、ライブハウスの店長さん曰く、チャボも清志郎もこれがステージで共演できる最後の機会になるかもっていう意識があったのでは、ということでした。
そういう事情も知った上で考えると、このライブで共演できたことを二人は本当に心から喜んでいたんではと思います。

そんなこんなでひとしきり盛り上がったところで定番の「愛し合ってるか〜い?」が出ました。
しかも、
「テロもなくならない、飢えた子供も減らない、この殺伐とした世の中、この会場にいるみんなに、どうしても聞きたいことがあるんだ」
という彼の言葉の後に出てきたわけですよ。。
正直こんな簡単な言葉の重みをこんなにも感じたことはなかったかも。
なんというか、自分が発言することのメディア的な影響力を痛いほど分かっている清志郎だからこその、かつ病床から這い上がってきた上での心の底からの叫びだったからこその、強烈なカウンターパンチでした。

最後はフジロックでも見たJBバリの「ガウンかけられるがその手をさえぎって歌い続ける」パフォーマンスで本編終了。

当然の流れながら予定調和な空気を一切感じさせないアンコールでは、待ってましたの「雨上がりの夜空に」。客側もバンド側も本当に臨んでいたアンコールでした。
フジロックの時は、前に出番のバンドからの入れ替えでそれまで一日降り続いていた雨が奇跡的に止み、御大登場と共に1曲目で演奏されたのがこの曲で。
それはそれでものスゴーク印象的かつ盛り上がる場面だったわけですが、最後に来たら来たでこれ以上ないくらい盛り上がります。分かると思うけど。

その後は御大のお子さん二人が登場して花束贈呈でした。
この絵も全然クサくなくて、会場全体が忌野ファミリーを祝福している空気で包まれていました。

そして最後は清志郎ひとりステージに残って弾き語り。

始まってから3時間くらいの長丁場だったけど、会場の誰もがこの貴重な一日に立ち会えた喜びで一杯になって帰って行ったのでした。。
いやあでもホントに歌いきったなあ。痛々しく思う場面も全然なくて。

そうそう、この日座席はステージの真裏。
最初は「おいおい」って思ったんだけど、メンバーが裏手の舞台に登るとアリーナよりかえって近くで見られて、一番近いときで10m行かないくらいの距離で御大や梅津のおっさんなんかを見られてかなりラッキー(席数的にも武道館のマックスの配置だったみたいで、1万人以上の集客だったみたいです)。
しかもステージに向かっているアリーナの観客席が一望できて、言ってみればステージの出演者視点でライブを見られるという楽しみも。
今回のライブでは明るめの照明で演奏される曲が多くて、横断幕掲げているグループや手を振りまくっているお姉ちゃんや、ハチマキ巻いて叫ぶおじさんや、色んな顔が見えました。

でもって番外編。
武道館を出て九段下の駅に向かう途中、みんなと同じように満足げな顔でてくてく歩く竹中直人を発見!
普段そんなことは絶対しないんだけど、思わず握手してもらいました。
一緒に写真を撮ってる人も何人かいたけど、全然嫌がっている感じではなく、ライブ後の高揚した気持ちで(多分)和気合い合いな光景となってました。

以上長文ですが、忌野清志郎 完全復活祭レポートでした。

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